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( ^ω^)個人的まとめのようです

自分のブーン系まとめ
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( ^ω^)思いの向こう側のようです 13


(;,゚Д゚)「これは…!」

(;^ω^)「蜘蛛、かお!?」

ドアの向こうに見えていたのは、確かに国語を受け持っていたトソンだったはずだ。
しかし、現れたのは真っ黒な靄で体を覆われた異質な何か。
ぐるりと頭を回転させてギコを仰ぎ見ていた、言うなれば変わり果てた姿であったが、
このような化け物では、まだ、なかった。

(;,゚Д゚) 「これがお前達が言っていた、黒い化け物か!」

(;^ω^)「形がかなり違いますけど、そうだと思いますお…!」

ブーン達が見たものは人型だった。
しかし今目の前にいるのは、体から6本の足を生やし、巨大な腹を持った、昆虫の蜘蛛を
髣髴とさせる姿である。

(::::∴::::)「ギィィギィイッ」

6本の腕が、ギクシャクと動きはじめる。
ギコが右手に持った剣を両手で構え直すのと同時に、それは突然ジャンプした。

(#,,゚Д゚)「チィッ!」

右腕を顔の前に出し、額の上辺りに刃を翳す、守りの型を取る。
大きな剣は重量こそあれ、広い刃は攻撃を受け止めるには都合がいい形だ。
蜘蛛の前足が剣に防がれると、ギコの腕にはずしりとした重さが圧し掛かった。

(::::∴::::)「ギギギ」

(#^ω^)「おおぉっらあぁあ!!」

動きが止まった蜘蛛の顔面に、横から走ってきたブーンの右拳がヒットする。
手に纏った青い光が一層の光を放ち、その重量を増していく。
更に体重を乗せたその一撃で、蜘蛛はぐらりと体勢を崩した。

(#,,゚Д゚)「ふんっ!!」

ブーンの一撃の力を借りるように、ギコは力任せに剣を横に薙ぐ。
重力に従い傾いた方向へと蜘蛛が転がった。
体勢を立て直したギコとブーンは、うごうごと手足をばたつかせるそれを
一瞬見てから、すぐに後ろを振り返る。

( ,,゚Д゚)「しぃ!!」

(;^ω^)「ドクオ!ツン!!」

Σ(;,゚Д゚) 「!!」

Σ(;^ω^)「のわ!!」

ガラスの砕ける音がする。
それは、後方よりも手前。
廊下側にある、大きな一つの飾り窓の割られた音だ。

ブーンがギコに加勢したのは、ドアを破壊した音に一瞥すらくれずに後方へと駆け出した弟者がいたから。
足の速さでは弟者の方が何倍も優秀である。
駆けつける速度もあるが、あちらにはドクオもいる。
一瞬だけ振り返った時に見たドクオは、ちゃんとツンを守ってくれていた。
後方に下がってツンを守りたい気持ちはとても強かったけれど、ブーンは
その感情に流されまいと踏ん張って耐えた。
ギコを一人きりで残せないからだ。
兄者の防御も間に合っていたと見て、ブーンはギコの加勢に回った。

けれど。

(´<_`#)「クソが…!!」

飾り窓から現れたのは、トソンと同じように、這い蹲りながら顔を反転させた、大人たち。
この学校の教師達である。
合計3人。
弟者の前に立ちはだかる様に職員室へ入ってきたそれらのうち1体は、すでに真っ黒な靄に全身を覆われていた。

( ゜ ゜ )「アァァアアァァァァアアア」

砕けたガラスの上を四つん這いで歩く度、まだ全身を黒にしていない教師の手に鋭利なガラスが突き刺さる。
全く気にする様子のないその男性教師の手を、大きなガラスが貫いた。
見る間に床に血溜りが出来ていく。
途端、その口からは悲鳴が上がり。
全身を黒に染めていく。


(´<_`#)「邪魔だ!!退け!!」

見知った教師だろうが、弟者は無関係とばかりに手に持った双頭槍の柄の部分を上から叩きつけた。
それは今黒く染まったばかりの化け物の頭にめり込み、その体からギイという奇声が上がる。
槍の、叩いた逆側の先端を床に押し付け、そちらに体重を乗せながら、弟者は右足を思い切り振り上げる。
よろけて地に擡げていた頭は、重力とは反対側の方向へと打ち返された。
黒い化け物の、顎にあたる部分だろうか、そこに弟者の足がヒットしたのだ。
重い体を浮かせた化け物に、弟者は更に追撃をかける。
仰け反った状態になり、曝け出されたのは、今足が当たった場所。

人間で言えば喉。
急所だ。

そこ目掛け、弟者は体勢を立て直して右手に持った槍を思い切り振りぬいた。
衝撃で化け物の体は反対にひっくり返る。

(´<_`#)「兄者!!!」

だが、相手のそんな状況に全く興味を持たずに弟者は後方を見やった。
彼の心配する双子の兄は、右手を翳し、降ってきたガラスから守るように左手をしぃの
頭の上に乗せたまま、黒く染まった同級生と膠着状態に陥っていた。
横にいるドクオと、なにやらもめているようだ。

(#^ω^)「こんの、やろ!!」

弟者が奥歯をぎりと噛み締めた横で、そちらから来ていた化け物をブーンが殴り飛ばした。
一度悲鳴のように甲高い声を上げたが、それはすぐに体勢を戻して、ブーンを見る。

(;^ω^)「何かかってえお!?つか重いお!」

(#,,゚Д゚)「そこを退け!!」

逆側にいた、いつの間にか黒い体に変わっていたもう一人の教師を巨大な剣で薙いだギコが、忌々しそうに声を荒げる。

ブーンの渾身の突きで傾く程度の、そしてギコが大剣で振りぬいて転がる程度の重量と堅さ。
弟者の三連撃でやっとひっくり返ったその強度。
先程戦った人型のそれとは、作りも何もかも違っているように思えた。

トソンである、否、トソンであった蜘蛛が後方に忍び寄る。
4人のいる場所へ辿り着くには、正面にいる三体も伸さなければいけない。

(゚<_゚ #)「…ぶっ潰す!!!」

膠着したまま持ちこたえている兄者を視界に入れたからだろうか。
弟者の元来低い声が、更に低くなり重低音で響いた。


それに呼応するように、双頭槍の青い炎が光を増す。
怒りに任せて蜘蛛を見る弟者は気づいていない様だが、隣にいるブーンとギコは弟者をちらりと見た。

(;^ω^)(…さっきもだったけど)

ギコに圧し掛かる蜘蛛を殴る時。
助けよう、助けなければと思い力を篭めた瞬間、拳の光が強まった。
今は、弟者の怒りという強い感情によってその光を強めている。

( ^ω^)(…気持ちで、なってるのかお?)

強い思い。
強い感情。
何かをなさなければという使命感。

相手を想う、強い意思。

( ^ω^)(この武器は、思いで強くなる?)

何の根拠もない仮説である。
だが全員が全員、持っている物が光を帯びた時、何かを守りたいと強く思ったと言っていた。
嘘偽りないその気持ちに、青い石は呼応した。
ならば、上乗せのように気持ちを追加していけば、武器を強化することも出来るのだろうか。

そこまで考えて、ブーンは思考をやめた。

(;^ω^)「その辺は、後で兄者にでも言ってみる、おっ!!」

(::::∴::::)「ギギギギィィイ!!」

前足を振り上げ、ブーンへと振り下ろす。
右側に跳んで避けると、その足はブーンがいた場所に鈍い音を立ててめり込んだ。
マットの下はコンクリートで出来ているであろう床が、めこりと沈んでいる。

Σ(;^ω^)「重すぎるお!!」

ブーンが冷や汗を流しながら、これは早急に後方に行かねばと焦る。

ギコも弟者も、そしてブーンも格闘技に精通している為、相手を見て避ける、という基本の動作が出来る。
しかしそれは訓練しているからであって、何の心得もない人は、攻撃に対し避ける動作を行えない。
不測の事態に脳が反応せず、体が機能しないのだ。
大抵の場合、頭を守るように手を顔の前に出してしまう。
これは生存する為の本能だ。
それが正解の時もあれば、逆に不正解の時もある。
上から何か重い物が落ちてきた場合、腕を出した所で潰されてしまう。

ギコのように、相手の力の受け流し方を知っているなら受けてもいいだろう。
しかし今の蜘蛛の一撃を見る限り、避ける行為が正解といえるだろうが。
後方にいる全員、それを出来るとはブーンには思えなかった。

慌てて見やる。
ドクオが何か兄者に言い募っているようだが、兄者は下を向いたまま苦悶の表情を浮かべ。
その目の前では、蜘蛛がぎしぎしと音を立てて、首と手に掛かるチェーンを引き剥がそうとしていた。

(;^ω^)「やばいお…!!」

何を言い合っているのかは分からないが、とにかく急がなければならない。
一歩踏み出そうとした瞬間、両足を何かが払いのけた。

Σ(;゚ω゚)「ぐえっ!」

不意な攻撃に思い切り虚をつかれ、ブーンは後ろにひっくり返る。
慌てて受身を取り、頭をぶつける事だけは免れた。


一周転がり、体勢を立て直し立ち上がる。

(::::∴::::)「ギギィギギ!!」

(#^ω^)「退いてくれお、急がなきゃ…!!」

皆が。
ツンが。

そこまで考えて、ブーンは右拳を思い切り引いた。
体に腕をつけ、拳を音が出るほどに握り、左手を前に出す。

ブーンが構えている最中。
トソンだった蜘蛛をギコが相手をし。
怒りをむき出しにする弟者には、2体の蜘蛛が彼の進路を遮るように立ちはだかっている。

ギコは剣を逆手に一瞬で持ち替えると、右側から来た蜘蛛の横薙ぎの一撃を受け止めた。
数mの距離を引き摺られるが、ぎしりと重い音を立て、ギコの足がその衝撃を踏ん張る。
止まった所で左手で持ち手の端を握ると、右手を軸に、左手を錘にし、刃を掴んでいた黒い足を
切り裂くように、力任せに上部へと持ち上げる。

蜘蛛が金切り声を上げた。

(#,,゚Д゚)「貴様のようなモノにやる首は無い!!」

重力に従い剣を動かす。
天へとその刃先を向けた巨大な剣は右側から斜めに振り下ろされた。
ギコの腕力で力を増したその刃は、蜘蛛の左足を容赦なく切り落とした。

::(::::∴::::)::「ギギァァィイイ!!!」

叫び声が木霊する。
支える軸を失った体が、その重さに耐えられずに地へと傾き落ちた。
黒い靄は、無くなった部分を補うかのように蠢いている。
動けずにいる蜘蛛を見下ろし、ギコが目を細めた。

(#,,゚Д゚)「自らの重さが仇となったな」

剣を構えなおすと、弟者がギコのすぐ横に足をつける。
一人で2体を相手にしていた為、ここまで押し返されてきたらしい。

(゚<_゚ #)

その目は兄者しか見えていないようだ。
ギコはため息をつきかけたが、それを喉の奥で押し留める。

( ,,゚Д゚)「…早く行きたい気持ちは痛いほど分かる」

出来れば、弟者のように駆け出し、しぃを助けたい。
今は兄者が庇ってくれているが、あの調子では、彼のチェーンも長くは持たないだろう。

( ,,゚Д゚) 「だが、それではだめだ」

怒りに任せて周囲が見えなくなっては、その後に大きな失態を犯すことになるだろう。
何事もしっかりと状況を判断できなければならない。


(#^ω^)「ギコ先輩!!弟者!!」


一瞬考えていたギコの耳に、ブーンの声が届いた。

(#^ω^)「こいつら、頼むお!!」

(,,゚Д゚) 「ブーン!!」

とにかく、後方に一人でも戻らなければ。
2匹を相手にしていた弟者が押されてしまい、今はギコと同じラインにいる。
一番ツン達に近いのはブーンだ。

襲い掛かってくる蜘蛛の前足を寸ででかわす。
腕を引いたままの防御なしの構え。
蜘蛛の前足はブーンの左頬を掠め、赤の糸を引いた。
それに構うことなく右足で床を蹴り、ブーンは蜘蛛の懐に入る。

黒い靄の中に、三つの黄色の目らしきもの。
それを目前に捕らえて、力を込めた右手を、その顔面に思い切り叩き入れた。

(#゚ω゚)「うおおおおぉぉおお!!!」

重い巨体へ、力任せに拳を突っ込む。
ぐらりと後ろへ浮き上がる蜘蛛の身体。

(#゚ω゚)「退けえぇぇえええ!!!」

メリ、という音が、右手と黒い靄の間から聞こえた。


(#,,゚Д゚)「うおおおおお!!」

(゚<_゚#)「…っらあぁぁ!!」


両脇から、巨大な剣と、槍が見え。
ブーンの右手の隣に、勢いを付けて刺突される。
右側にはギコ、左側には弟者が、それぞれの武器を思い切り蜘蛛へと突き出していた。

目の前の蜘蛛の巨体が完全に浮く。
踏ん張る足をなくしたその巨体を、ブーンの腕がさらに後方へと押し込んだ。

後ろにひっくり返るのを確認するより早く、相手をしていなかった蜘蛛が脇から腕を振り下ろす。

(゚<_゚#)「邪魔だっつってんだろうが!!」

(#,,゚Д゚) 「ブーン!行け!!」

身を捻ってそれを避け、ついでに蹴り飛ばした弟者と、腕自体を剣で受け止めたギコが叫んだ。
二人の真ん中から、ひっくり返った蜘蛛を踏み、ブーンが飛び出る。


(#゚ω゚)「ツン!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!!」


焦りこちらに目を向けたツンは、特に怪我をしている様子はない。
内心で胸を撫で下ろしたが、ブーンはその奥にいる、チェーンに絡まった蜘蛛を見定めた。
走りながら叫ぶ。

(#^ω^)「兄者、相手代わるお!!」

Σ(;´_ゝ`)「ま…っ、うわ!!」

こちらに気を取られたか。
兄者の右腕が、ばちりという音と共に弾かれる。
同時に、蜘蛛を縛っていたチェーンが一気に霧散した。

(::::∴::::)「ギィィッ!!!」

(;´_ゝ`)「っつ!!」

無防備になったその右腕に、蜘蛛の腕が振られる。
のこぎりの様なその足は、兄者の腕、肩から肘の辺りまでを引き裂いた。
赤い色が宙を舞う。

(;^ω^)「兄者!!」

(;'A`)「こんの…!」

走る勢いで、合間に入ったブーンが兄者を襲った蜘蛛の前足を蹴り飛ばす。
不意を突かれ、甲高い声を上げた蜘蛛の顔めがけ、今度はドクオが銃の照準を合わせた。

(;´_ゝ`)「…っ、ドクオ…!」

(;-A-)「…ごめんな…っ!!」

引き金を引いた。

轟音が響き、白い光が通過した蜘蛛の顔から、煙が立ち込める。
そのまま黒い巨体がベランダの柵を乗り上げ。
吸い込まれるように地上へと落ちていくのを、兄者が顔を歪めながら見ていた。
直後、どすんという音が耳に届く。

(;^ω^)「もう…大丈夫だとは思うけど…」

ここは3Fだ。
這い登って来る事はないと思いたい。

けれどそれ以上に、ブーンは何とも言いがたい気持ちになっていた。
化け物とて元は人。
それがこの高さから落ちる。
仕方がないことだと言い聞かせたところで、この後味の悪さは拭えそうになかった。

と。

::(::::∴::::)::「ギギィッ、アァァァア、グガ、グギッ!!」


四重の叫び声が、部屋に木霊した。
兄者を支えたままツンが首だけで振り向くと、蜘蛛達が足をちぢこませて、ひっくり返って悶えていた。
本物の蜘蛛が、殺虫剤を振りまかれて悶絶する様に良く似ている。
しぃは口元に手を当てて、その様子を震えて凝視する。


::∴:: 「ィッ」


折り畳まれ、屈折した足が、身体に巻き込まれ小さく小さくなっていく。
それからすぐに、カラン、という小さな物が転がる音が聞こえた。

弟者とギコの足元に、青い石がころりと転がる。


5分が経ったようだ。


(´<_`#)「兄者!!」

足元の石になど目もくれずに、弟者が兄者の傍へと走ってきた。
ツンに支えられて立っていた兄者の腕を見て、隣に来た弟者は奥歯を噛む。
よろりとツンの腕から抜け出した兄者は、何も言わずに、弟者の右肩に額を乗せた。

(  _ゝ )「…」

(´<_`;)「兄者、きついか?」

弟者が着ているセーターを握り締める兄者に声をかけるが、反応がない。

(;^ω^)「…ツンとドクオは、怪我してないおね?」

ξ゚⊿゚)ξ 「うん。私は平気」

('A`)「俺も、怪我はしてない」

(,,゚Д゚) 「しぃ」

(*゚ー゚)「…大丈夫。兄者君が庇ってくれたから」

(,,゚Д゚)「そうか…」

(*゚-゚)「兄者君の腕、治してあげないと…」

弟者に縋り付いたまま動かなくなってしまった兄者を見て、しぃが顔を顰めた。
そんなギコとしぃのやり取りの横では、ドクオとツンが眉根を寄せて難しい顔をしている。

( ^ω^)「どうしたんだお?」

ξ゚-゚)ξ「…今、黒くなった…フォックスは…クラスメイトよ」

ツンが、ぽつりとそう告げた。


('A`)「ちょっと問題児でさ。
   隠れてタバコ吸って、停学とかしてた奴なんだよ。
   ただ暴力振るったり陰気なことしたりする奴じゃなかった。
   けど、そんなんだからあんま友達とつるむ事もしなくてさ。
   ほら、この学校真面目じゃん、結構」

ξ゚-゚)ξ「一回、体育で兄者が具合悪くした時にね、保健室に運んでくれたの。
     それからだよね?仲良かったの…」

('A`)「親友とかそこまではいかないみたいだったけど…
   たまにゲームの貸し借りとかしてたみたいだしな」

( ^ω^)「…兄者…」

右腕から血を滴らせたまま、兄者はじっと動かない。
皺の寄る弟者のセーターを見ながら、ブーンは目を細める。


(*゚-゚)「兄者君、とにかく、腕の傷を治しましょう?
    そのままじゃ具合までどんどん悪くなっちゃうわ。…ね?」

兄者の顔を覗き込みながらしぃがそう諭す。
ようやく身動ぎをして顔を覗かせた兄者は、小さくこくりと頷いた。
泣いてはいない。
けれど下唇を噛み締めたせいか、そこから少量の血が出ている。

弟者がゆっくりと身体を離すと、兄者はふらふらと近くの椅子へと向かった。

( ´_ゝ`)「…すいません…」

(*゚ー゚)「大丈夫よ。
    こちらこそ、ありがとう」

弟者に支えられながら椅子に腰を掛ける兄者に、しぃは小さく笑う。
青くやわらかい光がしぃの手元から発せられるのを見ながら、ツンは隣にいたブーンの裾を引っ張った。

ξ゚-゚)ξ「…ねえ、ブーン」

( ^ω^)「お?」

ξ゚-゚)ξ 「どう、なっちゃうのかな…」

小さく声を零す。

ブーンの部活の主将が化け物になった。
クラスメイトが化け物になった。
町中が化け物だらけになった。
死ぬかもしれない、自分たちもああなるかもしれない。
やはりどう内容を噛み砕いても、納得する事はできそうになかった。

( ´ω`)「…ツン…」

大切な人が不安がっていても、ブーンにはどう答えていいか分からない。
きっと、ここにいる誰もがこの問いには答えられないのだ。

('A`)「…これから、どうしましょうか…」

あの状態の兄者に今後を問うのは、些か酷だ。
ドクオが腕を組みながら呟くと、隣にいたギコは目を伏せて唸った。

(,,-Д-)「うーむ…」

校舎の中も安全とは言い切れなくなった。
更に襲われた場合、狭い室内は動きにくく、戦闘には不向きだ。
一旦街に出て、バリケードが張られているという場所まで行った方が
生存の可能性は高くなるのではないか。

(,,゚Д゚)「…やはり、外に出てみるしかないのか…」

(;'A`)「隠れるところがない分、危険ですけど…
    やっぱりそれしかないですかね…っ!?」

ドクオが賛成しかけた所で、上の階から轟音が鳴り響いた。
地震のように床が揺れる。

ξ;゚⊿゚)ξ「こ、今度は何よ!!」

(;^ω^)「お、おっ!?」

ぱらりと天井から粉が降った。
鉄筋コンクリートで出来ている校舎はとても頑丈なはずだが、それがみしみしと音を立てている。

(;'A`)「え、えええ!?」

揺れが激しくなる。
地震の横揺れや縦揺れではない。
何かが、突き抜けてくるような。

(;,,゚Д゚)「しぃ!!」

(*;゚-゚)「きゃあ!!」

(;´_ゝ`)「っと…、つっ!」

腕が完治していない状態で、揺れに耐え切れず転びそうになったしぃを兄者が受け止めた。
それを後ろから弟者が支える。

と。

その上からみしりという音が鳴った。

(´<_`;)「…何だってんだっ…!」

弟者が、持っていた双頭槍を兄者の左腕に持たせる。
そのまま兄者としぃを一気に片手ずつ抱え込んだ。

天井が歪む。
上部から圧迫されるように歪んで、その形が丸みを帯びる。


びしりと、音を変えたと思った瞬間に。
天井がひび割れた。

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