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(;゚ω゚)「おうっふ!!」
(;,,゚Д゚)「がっ…!」
弾き飛ばされたギコを背中で受け止めたブーンが、べしゃりと床に転がった。
ギコも衝撃でうめき声を上げる。
( ・∀・)「町の惨状を見たかい?人々は逃げ惑い、化け物になり。
生き残ったのは限りなく少数だ」
カツカツと音を鳴らしながら、ゆっくりと歩を進めてモララーが語りかけてくる。
笑みを湛えているが、目は全く笑っていない。
( ・∀・)「君達は生きている、歩き、呼吸をし、痛みを感じ生きている」
背中を打ち呼吸が乱れたか、ギコが堰をしつつ膝を付いた。
立ち上がる姿勢を作ると、その肩にブーンの手が伸びる。
(;^ω^)「先輩、大丈夫ですかお…!」
(,,゚Д゚)「…勿論だ」
言いながら、ギコが口から血を吐き出した。
口の中を切ったらしい。
( ・∀・)「無様だねギコ」
(#,,゚Д゚) 「貴様には言われたくないわ、この変態が!」
(;^ω^)「へんた…」
口角を上げるモララーに、ギコは忌々しそうにそう吐き捨てる。
( ・∀・)「全く人聞きの悪い。僕の何が変態だというのかな?」
(#,,゚Д゚)「身に覚えしかない奴がよく言えたものだ!
貴様、俺たち学生の何を調べている!?」
ξ;゚⊿゚)ξ 「調べて…?」
ツンが呟くと、モララーはおやおやと肩をすくめた。
仰々しく手を上げて見せ、目を瞑り更に口角を上げる。
( ‐∀‐)「何の事だか」
(#,,゚Д゚)「前々から貴様の目は気に入らなかった。
探るような見透かすような、そんな目だ。
学校の至る所にある防犯カメラも、貴様が取り付けたのだろう!」
( ・∀・)「防犯の為、だがね」
(#,,゚Д゚)「更衣室まで付ける馬鹿がいるか!!」
Σ(;'A`)「うぉおお!?」
Σξ;゚⊿゚)ξ「ええええ!?」
( ・∀・)「さて、知らないね。まあよしんばやっていたとしても、
君達の身体に欲情なんかしないから安心したまえよ」
(#,,゚Д゚)「貴様の感情どうのなど聞いていない!!
倫理上ダメだと言っているんだこの大ばか者が!!」
(;'A`)ξ;゚⊿゚)ξ(変態だー!!)
(#,,゚Д゚)「しぃの着替えを覗くなど言語道断!!」
(;'A`)ξ;゚⊿゚)ξ(きっとこっちが本音だ!!)
(;^ω^)「おっお…すっごい真面目な人だって聞いてたのに」
( ・∀・)「真面目さ。真面目も真面目、大真面目だよ。
僕は僕の知識欲を満たせるなら何事も真面目にこなすさ」
くすくすと笑いながらそう言った。
知識欲。
モララーの目は依然笑っていない。
ブーンには理解しがたい事だが、本音のようだ。
転がっていた刀を拾い、モララーの横に控えたまま言葉を発しないクーにちらりと目をやる。
その目はじっとモララーを見据え、彼の一挙一動にすぐ対応できるようにしているようだった。
モララーの足が動く。
( ・∀・)「僕の話はいい。君達の話をしようじゃないか」
かちりと柄を握る音が響いた。
スピアの先端がギコの喉元に当てられる。
( ・∀・)「何をした」
(,,゚Д゚) 「何もしておらん」
( ・∀・)「内藤ホライゾン」
(;^ω^)「何にもしてないですお」
スピアがギコの喉の毛を押し入っていく。
少しだけそれを上に動かすと、スピアの先端はギコの顎をぐいと持ち上げた。
それでもギコの目は全く怯むことなく、モララーを睨みつけている。
( ・∀・)「欝田ドクオ、津出ツン」
(;'A`)「な、なんも知りませんよ!」
ξ;゚-゚)ξ「逆に教えて欲しいくらいです」
ドクオは名前を呼ばれ慌てて首を左右に振り、ツンはその隣で気丈に言い返した。
又三郎を握り締める腕を見ながら、ドクオは彼女の勇気に感心する。
先程ギコはモララーの目を、見透かすような、と言った。
自分に向けられてその感想が身に染みて分かる。
黒目が大きいくせに、全く感情が読み取れない。
揺らぐことも無くこちらを見据えてくる。
深淵のような黒。
この思考も全て汲み取られているかのようだ。
(;'A`)(この人は)
怖い。
ぞわぞわと背筋を這う悪寒。
自分たちが考えるには到底及ばない考えを持っている。
そんな予感がドクオを振るわせた。
(;'A`)(でも!)
こんな状況を作り出したのは自分たちではない。
そんな冤罪、たまったものではない。
唇をかみ締めて、ドクオはツンと同様に、モララーを精一杯に睨んだ。
( -∀-)「そうか」
モララーが目を瞑る。
瞬きのようなその一瞬。
(#,,゚Д゚)「せぇっ!!」
ギコの大剣が、喉にかかっていたモララーのスピアを弾いた。
その軌跡が、ギコの右頬から耳に掛けてを走り、赤い線を描く。
( ・∀・)「…」
モララーの表情がほんの少しだけ、凍るような怒気を含む。
体勢を立て直そうとスピアを握りしめた。
(#^ω^)「させませんお!!」
後ろでギコを支えていたブーンが、二人の間合いに推し入ってきた。
青く揺らめく拳でモララーのスピアを無理矢理押しのける。
掌底で更に弾かれ、スピアがモララーの手から抜けようとした。
川 ゚ -゚)「!!」
その、脇。
モララーの背後から、ブーンめがけて刃が下ろされる。
(;^ω^)「くっそ…!」
やはりクールの方が断然に早い。
慌てて身を捩ると、今度はぎりぎりの所でその刃をかわしきる。
しかし。
( ・三・)「ここで死ぬか、ギコ、内藤ホライゾン」
最早その口元にすら笑みも無い。
(;゚ω゚)(やば…っ)
(;,,゚Д<)「がっ…!」
ギコの身体が横に吹っ飛んだ。
スピアでの攻撃ではない。
モララーの右足が、ギコの左顔面を捉えたのだ。
(;゚ω゚)「のわぁ!!」
そのすぐ横にいたブーンごと、モララーは足を振りぬく。
男性二人を蹴り抜いて、落ちたスピアを回った反動で蹴り上げると、右手でばしりと柄を持ち直した。
( ・三・)「そうだよギコ、調べていたさ。僕はヒトに興味がある。
ヒトほど面白い研究対象は無い。何もかもが未知数なのだからね」
倒れたギコの真横に、スピアを突き立て。
モララーは床に倒れる二人を見下しながら、目を細めそう言い放つ。
( ・三・)「…解剖学も学んでいた所だ。君たちを開きにしてしまうのも面白そうだな」
スピアが、振り上げられる。
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