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ξ゚⊿゚)ξ 「ねえ、ニュース見た?」
( ^ω^)「お…何だお?」
ξ゚⊿゚)ξ 「何か凄い宝石が発見されてるんだって」
三人で歩きながら、ツンがそんな事を言った。
数日前に発見された未知の石。
キラキラと光を放つのだそうで、女性の間では新しい宝石のように
もてはやされているらしい。
ツンの目もキラキラと輝いて、それはそれは楽しそうである。
('A`)「もてはやされるって…未知の鉱石なのに、そんなに見つかってんのか?」
ξ゚⊿゚)ξ 「そうみたい。ただ、その辺に転がってるわけじゃないだろうけど」
( ^ω^)「おっお、女の子はキラキラに弱いおね」
ブーンはキラキラ輝く石が綺麗だとは思わない。
どちらかと言えば、そんな話をして、目を輝かせるツンの目の方が
断然に可愛らしいとブーンは思う。
(#'A`)「死ね。氏ねじゃなくて、死ね」
(;^ω^)「な、何も言ってないお…」
(#'A`)「うるせえ、鼻の下伸ばしやがって。いやらしい汚らわしい!」
ξ;゚⊿゚)ξ 「何、ブーンいやらしい事でも考えたの…?今の話のどこに?」
(;^ω^)「違うお!誤解だお!?」
ツンの話によれば、その石は青色に光を発するのだそうだ。
研究を開始したばかりとの事で、詳しいことは何一つとして分かっていないらしい。
何故光るのかも、何故いきなり現れたのかも。
ただ一つ分かっているのは、それは必ず、10円玉くらいの大きさで、まん丸なのだという事。
ξ゚⊿゚)ξ 「一度本物を見てみたいな」
('A`)「探せばあるんじゃね?その辺に」
( ^ω^)「これで見つかったら凄いおね」
ξ゚⊿゚)ξ 「もー…無いことくらいわかってるわよ!」
('A`)「ってーかさ」
( ^ω^)「お?」
('A`)「空手部って集合時間すっげえ早いよな?お前今日朝練無いの?」
時刻は現在、7時45分。
因みに朝練の開始時間は、7時である。
( ^ω^)
('A`)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)「わすれてたお」
死は免れない。
****
***
「逃げろ!!!」
ドクオとブーンの声が混ざって響いた。
何が何だか、混乱して良くわからないが、これだけは悟る。
あれには対峙してはいけない。
ブーンは咄嗟にツンの腕を取ると、思い切り走り出した。
後ろにドクオが続く足音を確認して、速度を上げていく。
ξ;゚⊿゚)ξ 「な、な、何!?アレ、何!?」
(;'A`)「知るかよ!知らないけど、だめだアレはだめだ!!」
(;^ω^)「あんな怖いのお化けでも知らないお!?」
昔読んだ、某ゲゲゲの人の妖怪百科にも、あんなどす黒いものは
載っていなかった気がする。
ツンの細い腕を握る手には、汗がじわりと滲んだ。
振り返ると、アレのくっついた人は歪な走り方でこちらに迫ってきていた。
車が事故にあった衝撃でなのか、はたまた頭に付いている黒いモノのせいなのかは
分からないが、あの走り方は確実に足を折っている。
(;^ω^)「とにかく、大通りに出るお!人のいる所にいかないと…!」
この先の路地を右に曲がれば、大通りから学校の入り口に行く事ができる。
あと少し、もう少しで、アレから逃げ切れる。
ツンを離さぬまま、通りに出た。
高校の前に走る大通りは、閑散としていた。
普段通りを引っ切り無しに走っている車が、なぜか一台も見当たらない。
ξ;゚⊿゚)ξ「…」
半分泣きそうになりながら、ツンが手を握り締める。
それに気づいて腕を離し、硬く握った手に触れた。
( ^ω^)「…今日は交通安全の日で、車の交通量が少ないのかもしれないお」
そんなわけはないと分かっていながら、一瞬止まった足を動かす。
後ろからは、あのどす黒いものが発している、ギイギイ、という不快な音が迫っていた。
(;'∀`)「…運動、しときゃ、よかった」
後ろで、苦笑いをしながらドクオが呟く。
全力疾走で裏通りを抜けたものだから、すでに息は切れていた。
それでも走る。
学校の正門が見えてきて、徐々に近づく。
しかし。
***
****
ゆっくりと振り向き、首をごきりと鳴らしたクックルと目が合う。
目が合うとは言っても、白目を向き、何処を見ているのか定かではないのだが。
クックルは、右手に掴んでいた女生徒の頭から、おもむろに手を離した。
(;'A`)「…なあ…」
(;^ω^)「…何だお」
クックルの低い声が。
(;'A`)「遅刻したの、お前なのに、何で俺たちまで」
無意味な音を発する。
(;'A`)「狙われなきゃいけないわけ?」
にじりにじりと後ろに下げていた足の軸を、ブーンとドクオは素早く回転する。
動けずにいるツンを、ブーンが思い切り右腕で抱きかかえた。
( ∋ )「アアァァァァァアアアァァアア!!!!!」
(;'A`)「走れぇぇえええ!!!」
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